うたのはなし(教室通信)

当教室では毎月、「教室通信」という新聞を発行し、音楽への興味を深めるためのコラム「うたのはなし」や、応援に行った「生徒さんのステージ」に関するレポートを掲載しています。ここでは、一部を抜粋してご紹介します。

私たちが作りたかった場所

 恒例となった年に一回の発表会が4月末に迫ってきています。いはやは、しかし。今回ほど、出演者の皆さんから積極的にアイデアをもらった年はありませんでした。こんなことをしてみたい。やれるかわからないけど、トライするだけでも楽しそう!そんな言葉を皆さんからもらう度に、そうだ、私はこういう教室を作りたかったんだと改めて気づかせてもらいました。

 音楽はとても自由です。一人で演奏してもいいし、誰かと楽しんでもいい。音を奏でてもいいし、歌ってもいい。聴いて楽しむのもいいし、みんなが演奏できる場を作ることも大切。誰の存在も否定せず、みんなが集う。年齢も性別も超えて、初めて会った人とも、久しぶりに再会した人とも、「私達の毎日に音楽があってよかったね」と、ただ喜び合える。きっと今度の発表会も、そんな空間になるのではないかと、今からとても楽しみです。

 思い返せば、私自身が通ってきた音楽の道の中で「自分が主導権を握る」ということはとても少なかったように思います。発表会にしても、「今のあなたのレベルなら、この曲」と先生が全てお膳立てしてくれて、指示を受けた通りに演奏する。ミスがいくつあったか?だけを数え、自己評価はいつも「減点法」でした。

 もちろん、心意気だけでは演奏は上達しません。基礎練習の積み重ねの上に成り立つ確かな技術が、演奏を支えてくれることは確かです。ただ、技術だけが身についても、何を描きたいのか?表現したいのか?伝えたいのか?この部分に目を向けない限り、どんな立派な器も、中身は空っぽのままなのです。そんな自分自身の経験も踏まえ、誰かのコピーではなく、「その人が演奏することに意味がある」、そんな音楽の空間を作りたいと願い、この15年を過ごしてきました。

 春の舞台に向けて練習をしている皆さんは、今、とてももがいています。音の動き、歌詞の一語、目線の置き方、ひとつの呼吸。数多ある表現の選択肢から、「自分はどんな音楽を奏でたいのか」を必死に探しています。その試行錯誤の先に、「音楽があって良かった」と思える瞬間を迎えられるように、私自身も伴走者として一緒にもがいていきたいと思います。(宮本由季)

ミュージカル公演レポート(2023.12.2)

 先日、生徒さんが通う高校でのミュージカル公演を観に行ってきました。
 
 彼女と出会ったのは、まだあどけなさの残る中2の夏。ミュージカルが大好きで、歌うことが大好き。人前でも全く物おじしない、朗らかな彼女とのレッスンは、毎回笑いが絶えません。自分自身の歌声に上達を感じれば、諸手を挙げて素直に喜び、思い通りに歌えないと、顔をクシャクシャにして悔しがる。歌への探求心を一番の原動力に、彼女はメキメキと腕を上げていきました。
 
 彼女が所属するミュージカル部は、毎年秋の文化祭の舞台でたくさんの観客を動員します。大道具、衣装、照明、音響・・・、学生が制作したものとは信じがたい、プロ顔負けのクオリティ。舞台の上で踊り、歌い、躍動する演者の素晴らしい表現力。そして、それらを毎年引き継いでいく部員の子たちの情熱が多くの人を魅了し、この部活を目指して入学をしてくる子も少なくないという話は、これまでも何度も耳にしていました。
 
 
 そして、彼女が高校2年の秋を迎えた、ある日のレッスンでのこと。「先生。私、来年度に向けて、演出を担当することになりました。」と聞いた時、私は「やっぱり、そうだよな」という想いと、「大丈夫かな」という想いの両方を感じていました。というのも、彼女の所属する部活において「演出」という役職は、演者と言う立場で舞台に立つことは一切無く、脚本やキャスティング、そして文字通り演技指導などの演出面を一手に担う総合プロデューサーのような立場なのです。
 
 誰にでも分け隔てなく笑顔で接し、場を盛り上げる力がある彼女の存在感を考えれば、納得のポジションでした。しかし一方で、最も重責を担う役職を引き受けたこと、なにより歌うことが大好きな彼女が、「表舞台に立たないという選択」をしたことに、今後耐えられるのか?そんな不安を私自身が感じていたのもたしかでした。
 
 それから文化祭での公演に向け準備が進んでいく中、レッスン内で時折、部活の様子を尋ねると、友人との笑い話を聞かせてくれる日もあれば、演出面での迷い、人間関係での葛藤、自分が日々下している決断が、果たして正しいものなのか?と、思い悩む姿を垣間見ることもありました。それでも彼女は、最後は必ず笑ってレッスンを終えます。歌うことにはいつでも誠実に取り組み、発声の技術や歌詞の解釈など、新しい発見をする度に、本当に嬉しそうにする様子を見ると、私も少し安心して、また新しい課題を渡すことができました。
 
 
 そして迎えた、本番当日。会場に入ると、大きな講堂は既にたくさんのお客さんで埋め尽くされていました。「今、彼女はどんな想いでいるんだろう」そう考えるだけで、もう胸が苦しくなりました。
 
 開演のベルが鳴り、照明が演者を照らし、ステージが始まります。今、目の前で、この1時間あまりのステージを駆け抜けていく演者の子たちの歌声、次々に繰り出される驚きの演出、観客の心を躍らせるダンス。ソロナンバーを歌いきった後には、自然と観客から拍手が湧き、歓声があがりました。
 
 ふと、隣のお客さんの横顔を観ると、みんなが舞台に釘付けでした。時折笑いが起き、感嘆のため息が漏れ、見事に感情を揺さぶられながら、気が付くと舞台はもうクライマックス。「あぁ、もう少し観ていたかった」と思う頃には、舞台はカーテンコールへ移り、客席からは割れんばかりの拍手がステージ上の出演者へ贈られていました。
 
 そして、最後に出演者に呼ばれるように、舞台に上がってきた「演出の彼女」は、本当に晴れ晴れとした清々しい表情をしていました。その顔を観た時に「こんなにも本気でやれることって、人生でどれくらいあるだろう」と思いました。
 
 悔し涙の日も、明日を迎えるのがしんどいくらい悩んだ日も、誰かの一言で全てが報われた日も。この万雷の拍手と、歓声を送るお客さんの笑顔、そして仲間と抱き合い、伝え合った「ありがとう」という言葉。これまでの全ての時間は、今、この一瞬のためにあったんだ、と。
 
 
 終演後、お会いしたお母様へ「素晴らしい舞台でしたね!」と伝えると、「我が子ながら、妥協せずに、よくやったと思います。」と笑顔をほころばせていらっしゃいました。お母様のその言葉が、彼女の今日までの日々を物語っているなぁ、と感じました。
 
 本気で取り組んだ時に、自分一人では成し遂げられなかったと知る。必死にもがき苦しんだからこそ、自分の力が及ばない部分を誰かが埋めてくれる。そうして仲間の結束が深まり、一つになっていく。その過程のど真ん中で「舞台とは、一つ一つの力の結集なのだ」ということを、誰よりも実感したのが、彼女自身だったのではないか思います。
 
 目の前に広がるこの光景を、彼女はこの先、何度も思い出すことでしょう。仲間たちの笑い声、何度も通ったホールの匂い、衣装が舞う衣擦れの音。そして、何より、自分の手で、自分が歩む道を切り拓いていくことの楽しさ。
 
 「こんな想いを味わわせてくれてありがとう。」
 
 私も、舞台の上の彼女に、心からの拍手を贈りました。(宮本由季)

言葉にすること

 例えばレッスン中、練習を積んだあるフレーズが、とても気持ちよく歌えたとします。あなたの背後では、宮本もガッツポーズで興奮している様子。すると、次の瞬間、こう聞かれます。「今の歌い方、最高だったね!どうやったら、上手くいったの?」。さぁ、あなたならなんと答えますか?「…偶然です。」、「教えてもらった通りに歌いました。」。謙遜も含めて、9割の人はこう答えます。ちなみに先日、全く同じ場面がありましたが、ある生徒さんの返答はちょっと違いました。「さっきは息継ぎのタイミングが遅かったから、早めに息継ぎをした。そうしたら歌いやすかった。」。

 『褒められること』は大人になるほど少なくなります。この教室でも、私が「とても良かった!」と言うと、顔を赤らめたり、「褒められたの何年ぶりだろう…」と涙ぐむ人もいるほど。“謙遜は美徳”の文化で暮らす私たちですし、もちろんそんな生徒さんを見ると、愛おしい気持ちでいっぱいになります。ただ、もし「上手くできたね!」と評価を得たのなら、「先ほどの歌い方と何が違ったのか?」と少しだけ自分のことを振り返ってみてほしいのです。もちろん「夢中で歌ってたから、覚えてないよ!」という人もいるでしょう。それなら、こう聞いてください。「私、どの部分が良かったんですか?」と。私は喜んで、変化の過程をつぶさに言葉にして伝えます。もう、何度だって伝えちゃうさ!更には、先ほどの生徒さんのように、あなたが感じた“自分の変化”を言葉にしてくれたら、私はそれを大事な実例として、他の生徒さんにもシェアします。講師が「こうすれば出来るよ!」と伝えるよりも、「他の人はこう意識したら、上手くいったみたいだよ!」という経験談の方が、何倍も説得力があるのです!

 体や心の動きの変化を言葉にするのって、確かに難しい!私も日々、試行錯誤です。だからこそ、少しずつでも言葉にすることで、自分が出来たことを自分で認識する。そしてその言葉をみんなで共有して、みんなで上達の階段を昇っちゃう。ほら、気づけばみんなが幸せでしょ(^^♪(宮本由季)

攻めていこう!

 最近、教室内で「あるワード」を耳にすることが増えました。それは「攻める」という言葉。生徒さんご自身が使うことも多いですし、私自身もこのワードを皆さんに投げかける機会が多くなったと実感しています。

 果たして「攻める」とは何か?端的に言えば、「自分には難しいかな?という曲に果敢に挑んでみる」ということです。日々レッスンをしていると、「男性の僕が、女性目線の歌を歌うなんて変ですよね?」とか、「孫もいる私が、20代の子が歌うロックを課題曲にするのはおかしいですよね?」という声を耳にすることがよくあります。「私がこの曲を歌ったら、周りはどう思うかな?」という、漠然とした【不相応感】のようなものを、多くの方が感じているのだと思います。その結果、なんとなくいつも【無難な選曲】になってしまう。そんな経験がある方もいらっしゃるでは?そんな時に私は「攻めていこう!」と声をかけます。固定概念や世間体は一度脇に置いて、ぜひ、自分の気持ちに正直に「歌いたい歌を歌う」、「弾きたい曲を弾く」、「やりたいことをやる」というシンプルな選択をしてもらいたいと思うのです。

 で、結果として・・・やっぱりいいんですよ!攻めの姿勢で挑んだことによって、ちょっとした技術的な壁も、「歌えるようになりたい!」という熱意で、乗り越えていける。そして「私、意外といいじゃん!」と、小さな自信を自分の中でコツコツ積み重ねていくことができます。

 やがて、気づけば生徒さんの方から「今回は、攻めていこうと思います!」と、私が考えつかなかったような選曲をしてきてくれて、また新たな魅力が発掘される、というとても良い循環が出来上がります。

 歌や音楽が好きで、この教室に通ってくれている皆さんには、心底音楽を楽しんでもらいたい。大好きな曲、演奏してみたい曲が目の前にあるなら、「攻めていこう!」。ぜひ、躊躇わずに、その音楽の素晴らしさを存分に味わってほしい!と切に願っています。(宮本由季)

化学変化が起きる曲

 レッスンの課題曲を決める際、講師が生徒さんに向けて推薦曲をいくつか提案するケースがあります。その場合、私は次の2つのことを心がけて選曲を行います。

 まず、「生徒さんの声の質や音域に適した曲であること」。例えば、1オクターブの声域を持つ生徒さんに2オクターブの音域が必要な歌を選ぶような、あまりに無謀な挑戦を強いるようなことはしません(声の幅を広げたい場合には、少し背伸びして1~2音、高めの曲を選ぶことはあります。)。
 
 そしてもう1つ意識しているのは「化学変化が起きるような曲を選ぶこと」です。通常、生徒さんに向けて推薦曲を選ぶ場合には、3曲ほどに候補を絞った上で提案するのですが、その中には必ず“生徒さん自身では選ばないであろう曲“を1曲入れます。頭の中で何度も「○○さんがこの曲を歌ったらどうなるか?」を想像し、その方の新しい一面、新たな声の魅力を引き出せそうだと思ったら、候補曲の中に加えます。
 
 実際にレッスンの際、「この曲を提案されるとは思わなかった!」と驚かれる方も多いですが、思い切って歌ってみたことで、「あら?!私の中にこんな才能が眠ってたの?」と喜ばれるケースがとても多く、そんな時は私もあからさまにニヤニヤ・・・。ぜひとも“新しい曲との出会いを楽しんでほしい”という思いと、その人の中には、“あなた自身も気づかないような声の魅力”が、まだまだたくさん眠っているんだよ、ということにぜひ気づいてほしくて、今日も私は新たな化学変化を求め、せっせと数多あるライブラリーの中から発掘作業を行います。そうよ!私だって適当に選んでるんじゃないのよ!(笑)。

 いつも黒い服ばかり着ていた人が、目を引くような鮮やかな色の服を着た時のように。長い髪の人が、ある日バッサリ、ショートカットにした時のように。久しぶりに会った彼が、不意にメガネをかけていた時のように。その瞬間は少し気恥ずかしくても、新しい自分との出会いに次第に心がウキウキしてくる。そんな歌の楽しみ方を、これからも皆さんに味わってもらいたいと思います。(宮本由季)

言葉の裏側

 かの文豪、夏目漱石は英語教師として教壇に立っていた際に、「I love you」を「我君を愛す」と訳した生徒に対し、「日本人はそんなことは言わない。月が綺麗ですねとでも訳しておきなさい。」と伝えた、という話があります。しかし、この発言の証拠となる文献はなく、今では作り話だとされていますが、高校生の頃に聞いたこのエピソードが、当時から大好きでした。「二人は、どこから月を見ていたんだろう?」、「相手はどんな言葉を返しただろう?」、「月ではなく、花や星だったら伝わり方は違うのかな?」。たった数文字から、無限に想像を広げてくれる『言葉』、また音楽の中で唯一言葉を扱う『歌』に魅了され、今に至ります。
 
 そしてつい先日、改めて言葉というものの面白さを、再認識した出来事がありました。別れをテーマにした歌詞について、「30代の恋に奥手な女性。数年ぶりにできた恋人が実は既婚者で、別れを決意した」と想像した私に対し、生徒のAさんが、「大学4年生の男の子。彼女がサークルの先輩を好きになり、突然振られちゃう」と、主人公の性別も、年齢も、別れの原因も全て真逆の解釈をしていて、お互いにビックリ!同じ歌詞を読んだはずなのに、そこから想像した景色が全く違ったのです。そうなると、言葉の発音の仕方や、そこから生まれる強弱、更にはブレスの位置など、私とAさんの歌い方は必然的に異なるはずですよね。これこそ、歌の面白さ!事実、Aさんが歌った「大学4年生の男子版」はオリジナルとはまた違った、むしろそれ以上の素晴らしい仕上がりで、「いやぁ、いい歌、生まれちゃいましたね!」と思わず唸ってしまいました、私(笑)。
 
 言葉というものを起点にして、表現は無限に広がります。誰かの解釈や考えを真似るのではなく、自分の頭と心をフル回転させた時にこそ生まれる、オンリーワンな歌。私自身もいつも追い求めていたいと思います。(宮本由季)

名曲の聴きどころ~なんてネガティブな歌い出し!

 今回から始まりました『名曲の聴きどころ』。歌は、ただ聞き流すだけではもったいない!歌詞、メロディには作者の想いや、ちょっとしたマジックが要所要所に隠されています。それを私の独断と偏見で、毎回1曲1ポイントに絞ってご紹介します。
 
 記念すべき第1曲目は、世代を超えた名曲!中島みゆきさんの「時代」です。聴きどころポイントはズバリ!『なんてネガティブな歌い出し!』。「時代」と言えば、最も有名なのは「まわるまわるよ 時代はまわる~」というサビの歌詞ですよね。それ故、忘れられがちなのはイントロの歌詞。「今はこんなに悲しくて 涙も枯れ果てて もう二度と笑顔にはなれそうもないけど」。こんな台詞、もし友達に言われたら「一体何が起きたの?」と心底心配になります。
 
 しかもこのイントロのメロディには、この曲の最高音がすでに使われています。通常、最高音は、気持ちも、声量も最高潮!を迎えるサビに用いられることがほとんどです。しかし、この曲はサビが始まるよりももっと前、スタートのイントロからすでに最高音を使っています。実際に、オリジナルの音源を聴いてみても、中島みゆきさんは歌い出しから力強く、胸の内を訴えるような歌い方をしています。
 
 では、何故イントロに、“ネガティブな歌詞”そして“力強いメロディ”を配置したのか?私はこう考えます。実は、この後に出てくる歌詞、「そんな時代もあったねと いつか話せる日がくるわ」。これこそが最も伝えたい事なのでは?と。
 
 絶望の淵にいる人に対して、 まずはイントロでわかるよ。今が一番辛い時だよね。と想いを代弁するように、ネガティブな歌詞で歌い出す。そしてその後、でもね、いつか笑って話せる時はくるんだよと優しく背中をさすってあげているように感じるのです。人間であれば老若男女関係なく訪れる辛い時を、この歌はただ応援するだけでなく、まず共感してくれる。だからこそ、世代を越えて多くの人に愛される曲になったのだと思います。(宮本由季)

抑揚をつけて歌ってみましょう!

 「カラオケで“君の歌は一本調子だね”と言われた・・・。」「あの人の歌は“抑揚”がついていて良いね。」
 
 歌が上手がどうか?を判断する時に使われる言葉として『抑揚』がありますが、それは具体的にどういうものなのでしょう?例えば人と話す時、私達は無意識に抑揚をつけています。「私の名前は宮本由季です。」という文章の場合。一番大切なのは「宮本由季」という名前の部分ですよね?よってその部分の音量が一番大きくなり、最後の「~です。」は締めくくりなので、自然と音量は小さくなります。この音量のバランスが逆だと、とても不自然に聞こえます。また全て同じ音量だと、まるでロボットが話しているように感じるでしょう。
 
 歌の中でも同じことが言えます。歌では「歌詞」と「メロディー」という面から、部分的に音量を変えることで『抑揚』をつけることができます。
 
 「歌詞」という点では、まず“心を込めたい言葉”を探してみましょう。「あなた」「さようなら」「逢いたい」「ずっと」・・・。選ぶ言葉は歌う人の感性によって様々でしょう。大事にしたい言葉の音量を大きくしてみたり、反対にあえてささやくように歌ってみるのも、緊張感が増してとても効果的です。
 
 「メロディー」という点から考えると、音が段々と上昇していく場合には、音量を大きくしていきます。反対に音が下降していく形の場合、音量を徐々に小さくしていくことで自然な抑揚を表現できます。そして、『抑揚』をつける時に最も大事なことは“音量の変化は大胆に!”ということ。「自分ではやっているつもりだけど・・・。」と言っても、人間の耳は些細な音量の変化は聴き分けられません。「こんなにやっていいの?」というくらいで丁度いいものなのです。実際、私自身「それはやりすぎです!」と生徒さんに言ったことは、レッスンでは一度もありません。皆さん一人一人の感性から生みだされた『抑揚』は、きっと聴く人の心にも届くはずですよ☆(宮本由季)

選曲のポイントを解説します!

 「何を基準に、どんな事に注意して曲を選んだら良いのでしょうか?」これは、日々のレッスンの中で生徒さんからよく受ける質問です。今回は“レッスンで歌う歌”という点に絞って、選曲のポイントを挙げてみたいと思います。
 
 まず、選曲の際には「何を目標にするのか」を一番に考えてみましょう。「自分にとっての課題が含まれている曲」を選ぶのが最も大切なポイントだと思います。いくつか具体例を挙げてみましょう。
 
【音域を伸ばしたい】
 自分が現在出せる最高音を先生と一緒に確認した上で、それよりも“1つか2つ上の音”が出てくる曲を選んでみましょう。いきなり5つも6つも上の音を出そうとするのは、さすがに喉がオーバーヒートしてしまいます(涙)。
 
【表現力をつけたい】
 強弱がしっかりついている曲、具体的にはサビに向けての盛り上がりがはっきりしている曲が良いと思います。逆に、展開が単純で、全体的に淡々と進んでしまう曲はこの場合には不向きです。
 
【リズム感を身につけたい】
 少し早めのテンポの曲がオススメです。アップテンポの曲では、自分でリズムを理解して、体に覚えさせることで、リズム感を徐々に身につけていきます。
 
 その他、日頃から様々な年代・ジャンルの曲に触れておくというのも「いざ選曲!」となった時にとても役立ちます。私自身は学生時代によく聴いた90年代の曲はもちろんですが、80年代の歌謡曲、70年代のフォークソングも歌詞、メロディーの美しさがとても魅力的なので、自分への課題曲としてよく選びます。ドリカムも、ちあきなおみも、吉田拓郎も、細川たかしも、なんでもござれ!です。候補は多ければ多いほど良いという事です「自分一人で探すのは不安だなぁ。」という方は担当の講師にご相談ください!その際はぜひ「お任せで」ではなく、思い切り自分の好み、理想、悩みを伝えてみましょう。遠慮は無用です!こだわりを持って選んだ曲は、必ず皆さんの大切な十八番になるはずですよ☆(宮本由季)
 

ライブレポート(2019.9.1)

  開校して間もない頃、講師として、初めて生徒さんが出演するライブを聴き行ったことがありました。その時のことは、「教室通信」にも書いたのですが、今回なんと10年ぶりに!再び!その生徒さんのライブにお邪魔してきました!
 
 ボーカルを務める原美嘉さんは、学生時代の友人の皆さんと「Honey Bunny」というバンドで活動をされています。元々はベーシストだった原さんが、バンド結成をきっかけにボーカルになり、「楽器に負けない声を手に入れたい」という思いで、教室にいらしたのが2009年のこと。元来、少々恥ずかしがりやの原さんにとって、人前で歌うことには、沢山の不安や戸惑いがあったと思います。
 
 初ライブでの演奏は、私自身もよく覚えていますが、とにかく懸命に!必死の表情でマイクを握る姿を見て、それだけで私も胸がいっぱいになってしまいました。一方で、講師という視点では、ボーカルとして、他の楽器と対等に演奏するには、何が必要なのか?もっと伝えなくては!という思いにもなりました。原さん自身もその後、年に数回のライブに立つ度に、「もっとこうなりたい」、「次はこういう声がほしい」と現状に満足せずに、基礎の見直しを図ったり、新しい発声法に挑戦したり、試行錯誤を繰り返しながら、今に至ります。
 
 そして、10年ぶりのライブ参戦!プレッシャーを与えてはいけないと、後方で聴いていたのですが、いやぁ、楽しかった!曲の合間のMCもテンポよく、演奏になればキュッと緊張感のある表情に。以前は苦しそうだった高音も余裕で歌っているし、何よりライブをとても楽しんでいる原さんの姿に、またもや胸が熱くなってしまいました。ふと、私の後にいたおじさまが、Honey Bunnyの演奏が一曲終わるごとに「やべーな、すげー上手いな。」とか感想を漏らしてくださるので、その度に私もニヤリ(笑)。少しずつでも、目の前に小さな目標を立て、それをクリアするために練習していく。それが、一番力になるんだということを、改めて教えてもらった時間でした。原さん、お疲れ様でした!(宮本由季)

文化祭ライブレポート(2016.9.30)

 先日、当教室の生徒さん(高校3年生)が出演した文化祭ライヴに行ってきました。高校入学と同時に軽音部に入部した彼女の担当は、もちろんボーカル。楽器陣に囲まれ演奏する姿を見るのは初めてだったので、とても楽しみに出かけてきました。率直な感想を申し上げますと・・・、いやぁ、感動した!久しぶりに胸の奥が震えるような興奮を味わった、素晴らしい時間でした。
 
 会場は学内にある体育館。扉を開けると、中はすでにヒートアップした観客が放つ熱気と、地響きにも似たバンドの音が渦巻いていました。「こりゃ、大変だぁ。」。緊張屋さんの彼女のことだもの、きっと今頃ぐったりしているに違いない!案の定、舞台横の大きなスピーカーの裏で見つけた彼女の背中からは、声をかけるのもはばかられるほどの緊張感が滲み出ていました。「頑張れ・・・」。祈るように念を送る私の手も、じわりと汗ばんでいました。
 
 そして、いよいよ本番!先行して始まったバンドの演奏に続き、転がるように舞台に現れた彼女の歌声を、観客は歓声と拍手で出迎えます。拳を突き上げ、まさに全身全霊で歌う彼女から先ほどの緊張感は微塵も感じられず、その横顔はとてつもなくカッコよかった。「あんな姿、初めて見た。」。驚きと嬉しさが胸にこみ上げてくるのを感じました。
 
 思い返せば、レッスンを始めた2年前、歌はもとより、発声さえままならず、「自分の声に自信が無い」が口癖だった彼女。まさに3歩進んで2歩下がるの繰り返しで、なかなか弱点を克服できない自分自身に落ち込むこともしばしばでした。でも、私からの指導に一度も、「できない」を言わずに、地道な練習を積み上げていった、その根性と熱意は高校生といえど、とても立派だったと思います。
 
 彼らはアマチュアバンドですから、当然プロの演奏のクオリティには敵いません。彼女のボーカルとしての技術だって、まだまだ磨くべき点は沢山あります。でも、「ただひたすらに一生懸命」な姿は、見る人、聴く人の心を動かす力があることを改めて教えてもらった、そんな1日でした。私もまだまだ若者には負けませんぜ!(宮本由季)

ミュージカル公演レポート(2014.4.22)

 先日、ひとりの女の子が、所属するミュージカル劇団の公演で、主役という大役を果たしました!
 
 彼女が初めて教室に来たのは、小学1年生のとき。お母さんに連れられ、レッスンもお母さんに見守られながら受講するという形でスタートしました。最初の目標は、音をしっかり取れるようになることだったと思います。
 
 あれから5年あまり・・・。定員900名ほどのホールは満席。溢れる熱気の中、カーテンコールで万雷の拍手を受ける彼女の姿に、思わず目頭が熱くなりました。
 
 地道に続けるということは、簡単なようで本当に難しいことです。そして、ただ続けるだけでは無く、人並み以上の努力を続けた時に、大きな成果となって現われるのだと思います。悩み、もがき、苦労し、そして喜ぶ。その繰り返しを、先生と共にしてきました。一番大きく変わったことは、自ら提案し、取り組むことができるようになったことです。これは本教室のテーマでもあります。
 
 良い時も悪い時もありましたが、そんな成長の過程に立ち会えたことを嬉しく思いますし、本教室でのレッスンが成長の一助となったのであれば、本当に良かったと思います。ひたむきに努力し、毎年確実にステップアップしていく姿に、私たちも大いに刺激を受けました!
 
 今後も是非、自分の進む道を究めていって欲しいと思います。ファイト!(宮本淳) 


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