レコーディング日記

2012.10.17(宮本淳)

 先日、高校生の生徒さんのレコーディングをしました。歌はそれなりにうまいのですが、現状に満足してしまう一面があり、なかなか前に進まない。そんな生徒さんが、自らの力で前に進むためのきっかけ作りを目的として行いました。

 レコーディングといっても、それほど大がかりなものではなく、MTR(レコーダー)を使って、1トラックずつ録音し、私の方でミックスをするという手順です。初めての経験をしてもらったのは、声を重ねていくという作業。自らハモリ、コーラスを作ってきてもらったのですが、レコーディング中も工夫を重ねるごとに、音の空間が広がり、ハーモニーが冴えていく。新たな発想が湧いてきて、途中でコーラスを追加したり、一度録音した部分を録り直したり。本人は緊張気味で始まったレコーディングも、やればやるほど楽しくなり、「作り込んでいく喜び」を存分に味わってもらえたのではないかと思います。「もっとやりたかった。」その言葉が、とても象徴的だと感じました。

 突き詰めるという作業は、一見苦しそうに見えますが、一定のラインを超えると苦しみが喜びに変わります。そういう瞬間を一度味わうと、離れられなくなりますね。若い子達は、そういう経験をたくさん積むべきです。手取り足取り助けていては、「待ちの姿勢」が生まれてしまうだけで、結局、何も残りません。自らモチベーションを高め、自分で道を切り開いていく。そんな子をたくさん育てていきたいと思っています。


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